地域連携推進会議を準備するGH担当者の方へ

地域の人を呼べと言われても、
誰にどう頼む?

地域連携推進会議の声かけ文と準備の順番

候補を一人考える。声かけ文を埋める。
電話文と正式依頼文は、そのままコピーできます。

「地域の関係者に参加してもらいましょう」。そこまでは分かった。で、誰に電話して、最初に何と言えばいい?

支援の合間に、候補探し、日程調整、説明、書類の準備。会議の前に、もうひと仕事あります。

大阪市に寄せられた質問にも、出席依頼の方法や準備の負担への戸惑いが出ています。この記事では、まず声をかける相手を考え、依頼文を埋めて、次の一件に進めるところまで用意しました。〔1〕

対象は、地域連携推進会議を準備する障がい福祉グループホームの担当者です。以下の段取りと文例は、この記事の実務提案です。個別の適用条件や自治体指定の様式は、指定権者の最新案内を確認してください。

1まずは「地域で暮らす接点」から一人を考える

最初から立派な肩書きの人を探そうとすると、電話をかける手が止まります。

思い出してみたいのは、自治会・町内会、民生委員、近所のお店、学校、地域で活動するNPO、近隣の住民など。地域との関わりがある人が候補になります。国の手引きや大阪市の参画依頼チラシに例示されている人たちです。〔2〕〔3〕

候補を出すために、紙にこの三つを書いてみてください。

  • 普段あいさつを交わす人、地域の用事で連絡を取ったことがある人
  • 入居者が参加したい地域活動について話を聞けそうな人
  • まだつながりがない場合、相談先や候補を紹介してもらえそうな窓口

地域のつながりがなく候補が浮かばない時は、市町村の障がい福祉担当窓口や地域の社会福祉協議会に「地域の活動について相談できる先はありますか」と尋ねる方法もあります。会議の主催を頼むのではなく、地域を知るための相談です。紹介を受けられるかは窓口ごとに異なります。

候補の横に「この人に、地域のどんな話を聞きたいか」を一言書けば、依頼の理由もできます。例えば「地域行事への参加の仕方を教えてほしい」。具体的なお願いの方が、相手も協力できるか判断しやすくなります。

地域の方一人を誘えば準備完了、ではありません。国の手引きでは、構成員に利用者・利用者家族・地域の関係者を選ぶことが必要で、全体は5名程度が望ましいとされています。家族の参加が難しい場合などの扱いもあります。自分たちの参加者構成は、手引き第3章で確認しましょう。〔3〕

いつも支援に入っている専門職については、「頼みやすい」だけで地域の関係者の役割を当てはめず、地域との関係づくりに適した人かを考えます。大阪市VOL.2のQ4もこの観点を示しています。また、同市は自法人・系列法人の職員等を構成員に選ぶことを望ましくないとしています。職員の出席と構成員の選定を混同しないようにします。〔4〕

2いきなり承諾を求めず、まず短い説明を頼む

最初の連絡で、日程も役割も決まっていないのに「出席できますか?」と聞くと、お互い判断に困ります。

まずは、説明を聞いてもらえるかを尋ねる形にしてみましょう。電話なら次の文が使えます。

最初の声かけ例

[ ]をご自身の事業所に合わせて書き換えてください。

近くでグループホームを運営している[事業所名]の[担当者名]です。 入居されている方の暮らしや私たちの運営について、地域の方と意見を交わす「地域連携推進会議」を準備しています。 [地域の活動についてお話を伺いたい、など相手に相談した理由]と思い、ご連絡しました。 お願いしたいのは会議への参加と、ホームへの訪問です。日程や内容をご説明したうえで、ご協力いただけるか相談したいのですが、少しお話しできる時間はありますか。

断られた時は、無理に引き止めなくて大丈夫です。日程が合わないのか、役割を引き受けるのが難しいのかを、差し支えない範囲で確認し、候補を見直します。紹介を頼む場合も「差し支えなければ相談先を教えてください」までにして、紹介する人の連絡先を無断で渡してもらわないようにします。

3会議と訪問の両方を、最初に伝える

「会議に来てもらえればいいと思っていたのに、見学もあるの?」という行き違いを避けるため、正式な依頼には、会議とホーム訪問の両方を書きます。

次の文例をコピーして、[ ]を埋めてください。日時がまだ決まらない項目は、候補や調整方法を記します。任期、所要時間、謝礼・交通費は、自事業所で決めた内容を入れ、未記入のまま送らないでください。

そのまま編集できる依頼文

コピー後、[ ]を埋めてから使用してください。会議・訪問の条件と添付資料も確認します。

件名:地域連携推進会議へのご協力のお願い[事業所名] [宛名]様 [事業所名]の[担当者名]です。 当ホームでは、入居されている方の暮らしや事業所の運営について、地域の皆様と意見を交わす「地域連携推進会議」を準備しています。地域とのつながりをつくり、支援や運営をよりよくしていくため、構成員としてのご協力をお願いしたく、ご連絡しました。 [相手に相談した理由を一文で記入] 地域で暮らす方の視点から、気づいたことや地域の情報をお聞かせいただけるとありがたいです。 お願いしたい内容 ・会議への参加:[開催予定回数、候補日時、会場、予定時間] ・ホームへの訪問:[予定回数、訪問先、予定時間、日程の相談方法] ・構成員の任期:[開始日]から[終了日]まで ・謝礼・交通費:[支給の有無、支給する場合の条件] 会議では、[暮らしや運営について報告する内容]をお伝えし、[一緒に話し合いたいテーマ]についてご意見を伺う予定です。 訪問では、入居者の方の意向やプライバシーに配慮しながら、ホームの様子を見ていただき、職員や交流を希望される入居者の方とのお話から、気づいたことをお聞かせいただければと思います。会議・訪問で知り得た個人情報を外部に漏らさないことについて、参加承諾書でお約束をお願いしています。 まずは内容をご確認いただき、ご協力の可否や、日程・内容についてのご質問を[返信希望日]までに[返信方法]でお知らせいただけますでしょうか。 ご都合が難しい場合も、その旨お知らせいただければ幸いです。 [事業所名/担当者名/事業所の連絡先] 添付・同封:[構成員向け説明資料、参加承諾書など、実際に添える資料名]

大阪市の公式ページから、構成員向けの説明資料、参加依頼文と承諾書を含む資料編、参考様式に進めます。上の文例は、公式の承諾書の代わりにはなりません。〔5〕

4準備は、この順で進める

以下は作業を進めるための順番です。法定の期限や、実施要件をすべて網羅したチェックリストではありません。

  1. 自分たちの実施条件を確かめる

    指定権者の最新案内を開き、対象、構成員、開催・訪問単位、様式を確認します。複数住居がある時は、住居名を一度書き出しておきます。

  2. 入居者・家族の意向を確かめ、候補を出す

    会議参加者だけでなく、すべての入居者と家族に、地域の方と会うこと等の意向を丁寧に確認します。本人が関係づくりを望まない場合、無理な参加や面会につなげないようにします。候補者一覧には「役割・声をかける担当・返事・次の確認日」を残します。〔3〕

  3. 依頼する条件を決めて、声をかける

    会議と訪問、任期、所要時間、謝礼等を整理し、上の文例を使います。承諾後は、秘密保持を含む承諾書と説明資料の受け渡しを確認します。大阪市VOL.2のQ14では、任期を相互に確認して依頼文・承諾書に明記することが望ましいとされています。〔4〕〔5〕

  4. 会議と各住居への訪問を、別々に確認する

    「会議の日が決まった」で訪問の調整を忘れないよう、会議予定と訪問予定を分けて控えます。大阪市のQ27は、会議と見学を同日にするか別日にするかは、実情に応じて柔軟に対応できるとしています。国の手引きでは、会議は指定を受けた事業所単位で年1回以上、訪問は共同生活住居ごとに年1回以上が基本です。複数住居がある場合も、それぞれの訪問機会を確認します。各構成員の訪問回数等は事情に応じて調整できる場合があります。具体的な運用は、自地域の指定権者に確認してください。〔1〕〔3〕

  5. 伝えることと、聞きたいことを一つずつ用意する

    例えば「最近の暮らしや運営上の改善」を報告し、「地域行事に参加するなら、どこへ相談するとよいか」を聞く。初回から大きな企画を完成させなくても、相手が答えやすい問いがあると話を始めやすくなります。

    個人名を消すだけで安心せず、組み合わせた内容から本人が分からないかを確認します。本人や家族の同意を得て個人情報を資料で扱う場合も、会議後の回収などに配慮します。訪問時も、本人や事業所の了承なく居室へ入らないよう、案内範囲を打ち合わせます。〔3〕〔5〕

  6. 当日の記録と、その後の担当を先に決める

    「誰が記録するか」「出た意見を誰が持ち帰るか」を決めておきます。終了後は、報告・要望・助言等を記録し、参加した構成員に内容を確認してもらいます。個人が特定される部分を除くなどの配慮をしたうえで、開催の都度、議事録を公表します。開催しただけで終えず、次に試すことを一つ残せれば、次回の話題にもなります。記録・公表の扱いは手引き第9章と指定権者の案内を確認してください。大阪市VOL.2のQ15も、開催の都度の公表を示しています。〔3〕〔4〕

今日の一歩は、候補を一人書いて、最初の声かけ文を埋めるところまで。招待状を白紙から書く仕事は、ここで一つ減らせます。

出典と確認範囲

2026年10月10日確認。全国の手引き、大阪市の運用回答、この記事の段取り案を区別しています。

大阪市の回答・例は、全国共通の個別判断として扱いません。以下の段取りと文例は、この記事の実務提案です。

〔1〕大阪市「質問に対する回答 VOL.1」Q26・27

大阪市の運用回答

公式PDFを開く:VOL.1(5ページ)

市が要約・匿名化した質問と市の回答。SNS投稿や全国共通の個別判断としては扱っていません。

〔2〕大阪市「地域連携推進会議へのご参画のお願い」

大阪市の候補例・参画依頼チラシ

公式PDFを開く:ご参画のお願い

〔3〕厚生労働省掲載「地域連携推進会議の手引き」第3・4・6・9章

全国の手引き

公式PDFを開く:地域連携推進会議の手引き

〔4〕大阪市「質問に対する回答 VOL.2」Q1・4・14・15

大阪市の運用回答

公式PDFを開く:VOL.2

〔5〕大阪市「地域連携推進会議について」

大阪市の公式配布ページ・2026年4月2日更新

公式配布ページを開く:地域連携推進会議について

掲載の「資料2 地域連携推進会議の手引き(別冊)資料編」には、構成員向け説明資料、地域連携推進員の手引き、参加依頼文・参加承諾書があります。

資料編PDFを開く:説明資料・参加依頼文・参加承諾書